子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮下部の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。通常の婦人科の診察でも観察や検査がしやすいため、発見されやすいがんです。早期に発見すれば比較的治療しやすく、良い経過をたどりやすいです。しかし、進行すると治療が難しくなるので、できるだけ早期の段階で発見することが重要です。

子宮頸がん検診を行います

当院では子宮頸がん検診を行っています。まずは問診を行い、月経の状態、妊娠・出産経験の有無、自覚症状の有無などについて確認します。この結果を踏まえて内診につなげます。内診台に上がり、頸部の状態を目で見て確認します。これにより、子宮の形、大きさ、位置、表面の状態、炎症の有無などを把握できます。必要に応じてコルポスコピー診を行い、子宮頸部の状態を詳しく確認します。

その後、細胞診によって診断につなげます。これは、やわらかいヘラやブラシのようなものを腟に挿入し、子宮頸部の粘膜を軽くなでるようにしながら細胞を採取します。まれに少量の出血を見ることがありますが、痛みはほとんどありません。以上で検査は終了です。細胞診の結果待ちを含めて、2週間ほどで検査結果がわかります。陽性と判断された場合には精密検査の対象となりますので、コルポスコピー下生検を行います。

子宮体がん

子宮体がんは、胎児を育てる子宮の内側にある子宮内膜から発生します。この中には2つのタイプがあります。タイプ1は、子宮内膜増殖症という前がん病変を伴い、徐々にがんができてきます。全体の約90%を占め、比較的若い40~50歳代に多いがんです。タイプ2は、正常子宮内膜から一気にがんができるタイプであり、高齢者に多いといわれています。

子宮体がんは生活習慣の欧米化に伴い、増加しています。とくに、不妊症、出産経験のない方、肥満、糖尿病、高血圧の人はリスクが高めです。例えば不妊症の場合、排卵回数が少ないため、エストロゲン優位の期間が長く、体がんの危険性が増します。いずれにしても、子宮体がんが進行すると生命にも関わりますので、不正出血、月経量が多いなどの症状がみられるときは早期に婦人科を受診されることが必要です。

子宮体がん検査を行います

当院では子宮体がん検査を行っています。月経以外の不正出血や月経量の増加、帯下の異常など症状がみられる方には経腟(経腹や経直腸)超音波検査を行い子宮体がんの発生部位である子宮内膜の状態を確認します。子宮内膜の状態に応じて、子宮内膜の細胞診検査(子宮体がん検査)を行います。細胞診が疑陽性か陽性のときは、精密検査として組織診が行われます。吸引やキュレットという医療器具を子宮の奥に入れて内膜組織を吸い取ったり、かきだしたりしながら、取り出した検体の病理検査を行います。このため、人によっては痛みを伴うことがあります。検査後に出血が1~3日続くこともあります。